カネはないけど暇はある。
どうもこんにちわ。毎日が夏休みの無職4年目A係長です。
早いもので会社を辞めて3年半。
そろそろ中堅無職と言ってもいいでしょう。
週休7日で毎日が日曜日のわたし。
働いている人から見たら無職の人って「毎日どうやって過ごしているの?」「暇じゃないの?」
そう思っている人もいると思います。
その通り暇です。
基本毎日ダラダラ過ごしているのですけれどもそれだけじゃ飽きてきます。
でもそんな時にいい時間の潰しかたがあるのです。
それは裁判の傍聴。
この裁判の傍聴は無職にとって一番の時間の潰し方なのではと思っています。
一番のおすすめポイントはお金がかからないこと。
無職と言えばカネがない。
でも裁判の傍聴はタダなのでカネがかかりません。
おススメです。
【無職の傍聴日記】責める検事と裁判長。まさかの弁護士も責め立てる
とゆー事で今日もやってきました裁判所。
完璧で究極な無職になったわたし。
将来お世話になるかもしれないし予習に勤しみます。
それにしても最近裁判の傍聴をして思うことは裁判が増えたなってこと。
初めて行ったときは一日5・6件もあれば多かったけれども前回も前々回もそうだけれども10件以上行われています。
特に詐欺や窃盗・強盗などの金銭犯罪が増えているような気が・・・。
景気が悪いからなのでしょうか?
嫌な世の中ですねぇ。
それでは今日のラインナップです。
- 道路交通法違反【判決】
- 詐欺・詐欺未遂罪【新件】
- 覚醒剤取締法違反【審理】
- 過失運転致死罪【審理】
- 詐欺罪【新件】
- 出入国管理及び難民認定法違反、詐欺・・・・【審理】
- 大麻取締法違反、道路交通法違反【判決】
- 覚醒剤取締法違反【審理】
- 危険運転致傷罪【新件】
- 道路交通法違反【新件】
- 過失運転致傷罪【新件】
- 窃盗罪【審理】
- 覚醒剤取締法違反【審理】
殺人などの重大事件はないけれども今日も多めの13件。
内容は新件が5件。審理が6件。判決が2件。
「新件」とはその日から裁判が始まるものです(第1回公判)。裁判の最初の部分(冒頭手続)を傍聴することができます。最初からなので事件の流れが見えます。傍聴するならこの新件がおススメ。
「審理」は裁判の続きを行うもので証拠の取調べなどが行われます。さらに別の裁判の日が指定されて裁判が続くこともあります。新件と違って途中からなので流れがつかめません。
「判決」は判決が言い渡されるものです。大体判決は10分程度で終了します。テレビドラマで裁判官が「主文、被告人を懲役○○年に処す。理由は以下の通り・・・・・」というあれです。
全部の裁判を見ることが出来たらいいのですけれども、同じ時間にかぶっているものがあるので、今日は13件の中から4件の傍聴をしました。
コロナ給付金チューチュー
先ずは一発目。
朝一ですけれども傍聴席には5人います。
被告人の関係者らしき女性が1人とあとは傍聴マニア?でしょうか。
でも以前いた傍聴マニア1号・2号のおじさんは今日もいません。
やはり引退したのでしょうか。
ちょっと寂しい。
1号・2号が知りたい方は以下を参照
【無職の傍聴日記】男女7人監禁事件は被害者が加害者で加害者が被害者?
予定時刻になり裁判官が登場して恒例の起立・礼。
いよいよ始まります。
今回の布陣は裁判官1名(女性)、検察官1名(女性)、弁護士1名(女性)、書記官1名(女性)の4名。
全員が女性です。
被告は30代後半の男性。
罪状:詐欺・詐欺未遂
詐欺:刑法第246条
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する
前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする
検察側からの冒頭陳述によると自営業の被告人が給付金をだまし取った事件のようです。
今となっては昔のことでみんな忘れているかもしれませんが、コロナが蔓延していた頃に企業に配ったあれです。
その額1,000万円以上。
手口は従業員でない人を従業員だと偽って休業補償給付金をだまし取ったと言うもの。
また自分の会社だけでなく休眠会社を使って同じ手口でだまし取り複数回にわたって詐取。
いわゆる公金チューチューですね。
弁護側は最初の詐取については認めるが残りの詐取については「知人から頼まれただけ」で受け取ったお金は申請の代行手数料として報酬を貰っただけと不認。
図にするとこんな感じです。
まずこの時点で自分の会社で行った詐取については疑いようのない給付金詐欺なので詐欺罪が確定。
ただ残りについては知人から頼まれて申請したとして否認しています。
弁護側としては詐欺は1つで納めたいところ。
もし残りの全てが詐欺と認められたらかなりの量刑になってしまうでしょう。
因みに詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役で罰金刑はありません。
詐欺罪の量刑は犯行の態様や再犯可能性などの要素を考慮して決定されます。具体的には次のような事情が量刑に影響します。
- 前科の有無
- 被害弁償や示談ができているか
- 組織的な犯罪の場合はその役職がどの程度か
- 被害金額の多寡
今回の場合では
- 前科はなし
- 被害弁償や示談は現時点では無し。ただ分割での弁償の意志あり
- 現時点不明
- 1,000万円以上
1と2と4については現時点ではほぼ確定で3の組織的な犯罪の場合・・・についてが大きな争点になります。
もし知人からの依頼が詐欺と知っていた場合はアウトとなってしまうでしょう。
逆に共謀が認められなかった場合は被告人が有利になってしまいます。
検察側は共犯とみているようですけれども果たしてそれを立証できるのかどうか。
弁護側はどう反論していくのか。
否認しているものが詐欺と認められるのとそうでないのかで量刑が大きく変わってきますから大事です。
仮に詐欺が1つだとしたら執行猶予があるかもしれませんがすべてが詐欺と認定されたら実刑となってしまうでしょう。
この事件は次回の審理も見てみたいものです。
ただ追起訴があるとの事で次回の公判日程は未定となってしまいました。
いやまだこれ以上なんかやってるんかい!
裁判時間:50分
次回公判:未定
結婚詐欺に容姿は関係ない!!
続いて同じ法廷での傍聴。
傍聴人は先ほどの被告の関係者がいなくなってマニア?が4人。
今回の布陣は裁判官1名(女性)、検察官1名(女性)、弁護士1名(男性)、書記官1名(女性)の4名。
被告は30代後半の男性。
罪状:詐欺罪。
またまた詐欺での裁判です。
事件の概要は
出会い系サイトで知り合った女性から交際をちらつかせながらお金をだまし取ったもの。被告人は自分の事を自営業だと偽って運転資金が足りないとお金をだまし取っています。
実際はギャンブルや生活費に使ったのですけれども。
まあよくある詐欺事件です。
ただ・・・・・・。
この被告、言っちゃ~なんですけれども小太りのハゲ散らかした男性です。
わたしと変わらないぐらいの見た目ですよ。
これでも騙される女性がいるのですね。
見た目以上の何かを持っているのでしょうか。
羨ましい!!
いや許せん!!
詐欺金額は数十万円。
そして被告は前科3犯。
同じような詐欺事件を繰り返しています。
それにしても別に3人も騙された女性がいるのが不思議です。
やはりこの被告容姿をカバー出来るくらいの何かを持っているのかもしれません。
弁護士も争う気がなくやる気なさそうな感じがありありとしています。
まあ、どう足掻いても勝てそうにありませんし。
求刑は2年4か月。
実刑だろうね。
いや実刑であってほしい。
裁判時間:30分
次回:判決
他人事な被告人
それでは次の裁判へ。
今回の布陣は裁判官1名(男性)、検察官1名(男性)、弁護士1名(男性)、書記官1名(男性)の4名。
傍聴人は14名とまあまあ多い(内修習生5名)。
中には松葉杖をついている女性がいます。
被告は20代前半の男性。
罪状:危険運転致傷罪
刑法第208条の2 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。
今回の事件は酒を飲んで事故を起こし2名を負傷させた事件です。
事件の概要は友人と午前二時まで居酒屋で酒を飲み帰宅途中で事故。4軒のはしご酒で2軒目からは記憶なし。飲酒後友人宅で寝ようとするもやっぱり自分の家で寝たいと友人宅を出る。友人からは車で帰るなと言われるも無視して車に乗り自宅に向かっている途中で対向車線に進入して事故を起こし2名を負傷させる。事故当時、駆け付けた警察官に飲酒をしていないと虚偽の報告。
弁護側は検察側からの事実に対しては争いなし。情状酌量を求める戦法。
情状酌量の根拠として相手側が全治1週間、保険加入、免許取り消しになっている事、今後運転の可能性なしを挙げる。
これまで見た裁判の中でもけっこう頑張って弁護している。
ただ如何せん被告人の態度が何というか・・・・。
弁護士や検察の質問に対してまるで他人事のような煮え切らない答弁。
悪く言えばまったく反省していないようにも見える。
弁護士は何とかしようとしているけれども被告人にはそれが伝わっていません。
この態度は・・・・どうなんだろうと思っていたら裁判長も同じように思っていたらしく「あなたの態度は全く反省しているようには見えません」「まるで他人事です」とはっきり言っていた。
まあ事故を起こして訳が分からなくなって混乱しているのかもしれないけれども・・・・。
最後に裁判長から「何か言いたいことは?」と聞かれていたけれども、これに対して被告人の答えは「特にありません」。
被害者は厳罰を望んでおり、保険金の受取も拒否。
おまけに心象は最悪。
弁護士は今まで見た傍聴の中で過去一頑張ってたんだけどねぇ。
検察からの求刑は2年。
意外と軽い!!
裁判時間:60分
次回判決:2週間後
責める検事と裁判長。まさかの弁護士も責め立てる
本日ラストの傍聴。
ただ、これが今日一のアタリの裁判でした。
今回の布陣は裁判官1名(男性)、検察官1名(男性)、弁護士1名(男性)、書記官1名(男性)の4名。
被告は30代後半の無職男性。
罪状:窃盗罪
刑法第235条「他人の財物を窃取した者は窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する」
事件の概要は
生活に困窮して1か月の短期間で計5回の窃盗。同じ書店で6冊(16,000円)、7冊(13,000円)、6冊(13,000円)、6冊(13,000円)の万引きと百貨店でブランドバッグ(36万円)を詐取。
この被告は前科3犯。
過去の犯罪もすべて窃盗です。
検察からの冒頭陳述で分かったことは以下の通り。
- 被告人は週3回のアルバイトで10万円の収入があったが犯行時は仕事を辞め無職。
- 窃盗で得た金は生活費とギャンブルに使った。
- 被害のあった書店は悪質だとして被害弁償を拒否。
- バッグを窃盗されたショップに対しては被害額の一部の84,500円を弁済している。
これに対して弁護側は事実は争わないが「今回はホントに反省をしている」と情状酌量の一点突破。
まあ普通に考えたら弁護士はそれしかやりようがないでしょう。
ただ裁判が進むにつれて事態は変な方向に、いやおもしろい方向に進んでいく。
検察官や裁判官ならず弁護士からも被告人はフルボッコにされてしまった。
弁護士も形だけは弁護しているように見えるけど実際は全然弁護をしていません。
普通なら弁護士は被告人の味方で検察官は敵、そして裁判官は中立のはずなのに3人ともが被告人を責め立てているように見えます。
特に中立のはずの裁判官がすごかった。
裁判官「なぜ仕事を辞めたのか?」
被告人「仕事が合わなかったから」
裁判官「仕事を選んでいる場合か?」
被告人「・・・・・・」
裁判官「あなた前にも反省してると言ったよね」「ホントに反省してるの?」「これで4度目だよ」
被告人「今回はホントに反省しています」「自分が嫌になりました」
裁判官「弁済はどうするの?」
被告人「働いて返していこうと思っています」
裁判官「あなた前回の弁済金親に払ってもらっていますよね」「それ親に返した?」
被告人「返していません」
裁判官「親にも返していないのに今回はホントに働いて返せるの?」
被告人「・・・・・・」
裁判官「あなたを見ているとホントに反省しているようには見えない」
被告人「・・・・・」
いや~かな~り怒ってますねこの裁判官。
もしかしたらこの被告人を前回も担当して裏切られたからなのかもしれません。
最後、検察から「高い本を選んで盗んでいる」「職業的窃盗である」「「再犯確率が高い」「被害者が厳罰を望んでいる」として2年6か月を求刑。
こりゃ確実に減刑ナシの実刑だね!
裁判時間:60分
次回結審:2週間後
最期に
今回の傍聴は比較的軽微な事件のみでしたが面白かった。
特に最後の傍聴。
裁判官も人の子。
熱くなることがあるものです。
ホント今日はいいものが見れました。
今回使ったお金。
交通費820円。
裁判の傍聴は映画館よりも安い1,000円以下で楽しめます。
今日のひとこと
仏の顔も3度まで。
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