現代では、高卒者の5割以上が大学に進学しており、一般的なサラリーマン家庭でも大学に通わせることができるようになっています。
ただ一部の高学歴と言われる大学に限って言えば親の年収が大きく影響してきます。
これは昭和の初期と同じような状況と全く同じです。
戦前・戦後から昭和中期の大学生は、今よりも大学進学率が低かったために、一部の金持ちだけが大学に進学できました。
大学進学にかかる費用(学費)は、国立・公立・私立の違いだけでなく、学部・学科によっても差がありますが、2020年の調査では、国立大学が4年間で242万円、私立大学が352万円になっています。
実感としてはもっとかかっているように思えます。
ただこれは学費だけの金額となっており、実際はこれの何倍ものお金が必要になります。
今や学歴はお金で買う時代になった【高学歴は親の年収に比例する】
独立行政法人日本学生支援機構の「2018年度学生生活調査」によると、一般的な大学生への年間仕送り額の平均は119万6,600円となっています。
12か月で割ると、ひと月あたり「9万9,716円」が大学生の仕送りの平均額です。
国立大学だと242万円+(119万円×4年間)=718万円
私立大学だと352万円+(119万円×4年間)=828万円
およそ大学4年間で720万円~830万円かかることになります。
国税庁の民間給与実態調査によると、日本人の平均年収は 436万円となっていますのでおよそ2倍。
一方、日本学生支援機構の「2018年 学生生活調査」によると、大学生のいる世帯の年収平均は862万円。
国立大学の学生がいる世帯では854万円、私立大学の学生がいる世帯では871万円です。
これだけを見ても大学に進学できる子供は親の年収によるところが大きいと言えます。
東大入学者の親の平均年収が800万円を超えている
昔は国立大学は、お金がない人が努力して勉強して入学するイメージでしたが今は違います。
2018年の調査では、東大生の約60%が親の世帯年収950万円以上という結果になっています。
これは私立大学の学生のいる世帯収入を上回っています。
具体的な金額が出ていないため確実な数字とは言えませんが、世間一般で言う高所得者層ではないでしょうか。
以前から言われていることですが、やはり経済力と学力には相関関係があることが見て取れます。
仮に素養のある人間であったとしても、いい環境が整っていないとトップレベルの学力をつけることは難しいのが現実です。
東京大学の合格者は私立男子・女子校出身者が多い
東京大学の合格者の上位をほとんど私立男子・女子校が占めています。
とりわけ上位10校のうち男子校が7校と突出しています。
この他の出身校を見ても中高一貫校の出身者が多く見られ、合格者全体の約25%を占めます。
つまり、4分の1ぐらいは東大進学の枠は中学受験をする「小学校6学年時点」でほぼ決まってるわけです。
私立中学に進学した場合の学費は文部科学省の「子供の学習費調査(2018年度)」によると、1年間の学習費の総額は140万6,433円となっています。
公立中学の場合は48万8,397円となり、私立に進学すると公立のおよそ3倍学費がかかることがわかります。
さらに入学するまでにも塾に通いその費用だけでも莫大かかります。
小さいころから教育にお金をかけなければ東大にはほぼ行けないのが現実です。
お金があるからいい学歴を得られる
結局お金があるからいい塾に行けていい大学に入れる。
本人の努力ももちろんありますが、その前提として親の資産が大きいと言う訳です。
そもそも大学生の親の平均年収が800万円を超える時点で普通の世帯は行けないことになります。
なぜなら日本人の平均年収が430万円なのですから。
※厚生労働省の調査によると、世帯年収の平均は552.3万円。
世帯 年収550万円なら手取りが430万円くらいでしょう。
その中から毎年120万円を仕送りすることは少し厳しい感じがします。
インドのカーストのようにはっきりと分かれているわけではありませんが、それに似た状況になっているのではないでしょうか。
日本には見えない壁があるのです。
2020年度の大学進学率が54.4%に達し、過去最高を記録したことが、文部科学省の学校基本調査(確定値)にあります。
文部科学省は、家庭の経済状況に関わらず、大学・短期大学・高等専門学校・専門学校に進学できるチャンスを確保できるよう、2020年4月より高等教育の修学支援新制度を実施していることが影響しています。
ただ、大学には行けるようにはなったけれども、やはり小さいころからお金をかけなければいい学歴を得られないのは変わらないでしょう。
例え北欧の国のように授業料が全額無料になったとしても変わらないでしょうね。
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今日の一言
生まれた時から高学歴は決まっている。
コメント
ときどき覗かせてもらっています。
「なぜなら日本の全世帯の平均年収が430万円なのですから」は間違いですね。
厚労省のグラフは平均給与の推移なので。
夫婦共働きで430万円ずつ稼げば860万円で「日本学生支援機構の「2018年 学生生活調査」によると、大学生のいる世帯の年収平均は862万円」にだいたいぴったり合いますね。
(平均値と中央値の問題はあると思いますが。)