長らく斜陽産業と言われているデパート業界。
一時、地方デパートの倒産が続いていましたが、最近は聞かなくなりました。
これからは堅実経営のデパートが危ない【デパートは生き残れるのか】
あいかわらずファッション系のテナントや平場の取引先は撤退や倒産が続いていますが、本体のデパートは苦戦しつつもなんとか耐えています。
デパートの社員とテナントの社員の温度差もかなり大きく、デパートの社員はかなり能天気。
潰れるはずはないと思っています。
それはなぜなのか。
SCやネットなどの競合店がどんなに大きくなろうとも、デパートには一定数の「ある」お客様がいるからです。
斜陽産業のデパートが潰れないワケ【この人達がいる限り大丈夫】
デパートが潰れないと言える理由の1つが、デパートを頻繁に利用しているお客様の多くが、60代以降のいわゆる高齢者という事です。
この世代は実際商品を見て買うという習慣が見られるのです。
ネット通販はこれからまだまだ伸びるとは思いますが、60代以降の利用率は2020年現在約30%と他の年代と比べて半分以下になっています。
そしてもう一つの理由が、日本人特有の4つのタイプのお客様がデパートにはいるからです。
その4つのタイプとは、「ブランド好きな人」「お金はあるが時間がない人」「時間もお金もある人」「自分に自信のない人」です。
ブランド好きな人
ブランド好きな人はいつの時代でもいるものです。
しかもハイブランドになると地方では1店舗のみで、そのすべてがデパートのテナント運営と言ってもいい程です。
デパートによっては集客の目玉。
年代も幅広くデパートにとっては若い年代を取り込む格好の餌になります。
しかもブランド独自で情報発信や宣伝をしてくれるのでデパートは何もしなくてもいい。
おいしい商品です。
黙っていてもお客様が来てくれる数少ない集客マシーン。
ブランド誘致を進めることが出来るデパートは安泰と言えます。
実際コロナで閉店や時短を強いられた昨年も、ほかのアイテムが軒並み売り上げが半減する中ブランドだけは前年を実績を超えていました。
じゃあブランドが撤退したら危ないのではないか?
それは現時点では考えられません。
それはハイブランドにとってデパートは居心地のいい環境になっているからです。
いわばその関係は元受け企業と下請け企業の関係に似ています。
ブランドの方がはるかに力関係では上だからです。
自前でショップを出すよりもデパートの中に入った方がリスクが少ないのです。
リニューアル資金もほとんどがデパート持ち。
デパートはほとんど言いなりとなっています。
とは言えデパートにとっては集客の大きな武器ですからある意味WINWINの関係と言えます。
お金はあるが時間がない人
デパートは接客販売が主な販売手法です。
優れた接客技術を持っているかは別にして、ある一定のレベルの販売員が商品を紹介してくれます。
お金はあるが時間がない人にとってはこれが便利なのです。
必要な商品を伝えれば、的確な(?)商品を出してくれます。
デパートは信用で成り立っていますから商品自体も悪くなく安心して買うことが出来ます。
何を買っていいのか迷う時間を短縮出来て時間のない人にとっては便利なお店です。
お金があって時間もある人
上の「お金があるが時間がない人」と相反するように見えますけれども、この層のお客様も一定数います。
先にも書きましたがデパートの基本は接客販売です。
話し相手が欲しい人にとっては格好の場所になるのです。
年配のお客様の中にはお金があって暇な人が割と多くおり、日がな一日デパートで過ごすなんて珍しい事ではありません。
やることが無いからデパートに来てフラフラ。
ついつい何か買って帰ってくれます。
自分に自信がない人
デパートに来るお客さんで多いのはなにを買っていいのか分からない人が結構みられます。
何が自分に合うのか分からない。
接客販売のデパートなら自分に合うものを教えてくれるだろうと来店する人がいます。
自分の意志で選べる人は意外と少ないものです。
デパートで扱っている商品は多くの人が知っているブランドで安心できます。
自分で選べず、人から良く見られたい人にとってはまさにありがたい存在なのです。
最後に
日本人は海外の人に比べて受動的な人が多くいます。
自分が良ければいいと言うよりも、人からどう見られるかを気にする人が多い。
そんな時にはデパートは便利な場所です。
ブランドを筆頭に誰でもが知っている商品。
それを求める主体性のない人たち。
こんな人たちがいる限りはつぶれることはないでしょう。
今日の一言
デパートは意外と便利なところ。
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